2023/11/22 22:53

冬至大祭 春迎えケーキ販売のお知らせ✨



世間ではクリスマスムードが高まる中、あまつちベーカリーはクリスマスケーキならぬ、【冬至大祭 春迎えケーキ】を販売することになりました🎂

冬至大祭 春迎えケーキとは、読んで字の如く、大自然のサイクルの節目である冬至を祝い、来る新たな一年、新春を迎えるためのケーキです。

クリスマスケーキと何が違うのかというと見た目上は大きな違いはありません(笑)

ただ、私たちとしてはクリスマスだけを祝うよりも、クリスマスも含めた大いなる自然の流れの節目を共に祝い、新たな一年を明るく迎え、皆様にとってもより素晴らしい一年になるよう、ささやかな祈りと日頃の感謝を込めて、幸せ広がるケーキをお届けしたいという想いがあり、そのようなコンセプトとしてケーキを販売することになりました。



昨年はクリスマスケーキを販売していたのにもかかわらず、なぜこのような運びになったのか。。。

それは今後もクリスマスケーキを作り続けることに対する、何とも言い難い違和感があったからでした。


パン屋である一方で、スイーツ屋としての一面も併せ持つあまつちベーカリーとしてはクリスマスを無視するわけにはいきません。しかし、スイーツ主任は数カ月前からクリスマスケーキのアイデアを練りながらも、どこか氣乗りしていない様子でした。

パン主任としても語らずとも同じ感覚にあり、そこでスイーツ主任にこう提案してみました。

「それならば、冬至と新年を祝うケーキにしたらどうだろうか」

すると、スイーツ主任の暗澹たる表情は一瞬にして明るくなり

「それだ!!!!」

となったのです(笑)


そもそも冬至とクリスマスは、今ではそれぞれ別々の行事として扱われていますが、歴史を遡れば同根であることが分かります。

クリスマスはイエス・キリストの聖なる誕生を祝う日であることは言うまでもありませんが、実はイエス・キリストの誕生日については聖書には明記されておらず、正確にいつ生まれたのかを示す確たる証拠はありません。

クリスマスとはそもそも、イエス・キリストが誕生した日ではなく、誕生したことそのものを祝う降誕祭のことであり、その祝祭日が12月25日と定められたのは、イエス死後300年以上経った古代ローマ帝国時代の話です。

当時のローマ帝国には冬至の日に太陽神の復活を祝う民間信仰の風習があり、それが12月25日とされていました。時の権力者がその風習と混ぜ合わせるように、イエスの降誕祭もその日に執り行うことにしたのがクリスマスの始まりとされています。

つまり、冬至を祝うこととイエスの誕生を祝うことは本来はセットだったのです。


冬至といえば、一年のうち最も昼が短くなり、太陽の力が最も弱まる日であると同時に、陰極まって陽に転ずる「復活の日」でもあります。

冬至に太陽の再生を祈る古代の風習は世界各地に共通してみられます。

日本においては縄文時代から環状列石(ストーンサークル)や集落跡からも冬至を強く意識していた痕跡が多数見つかっており、冬至大祭なるものもあったであろうと考えられます。

弥生時代以降も冬至を祝う風習は形を変えながらも途絶えることなく、やがては新穀感謝の日として継承されていくことになります。

古代の人たちは冬至の日に、太陽の光を受けて成長した新穀を自らの体内に入れることによって、新たな生命(いのち)を得ることできると信じていたようです。

例えば、冬至粥を食べるのもその信仰における風習の一つであると考えられます。

宮中行事としても、太陽の復活を祈る祀りと、新穀の収穫を感謝する祭が合わさった祭祀が古来より継承されています。それが新嘗祭です。

新嘗祭が執り行われたのは旧暦11月の2回目の卯の日でした。それは現在の新暦でいうと、12月上旬から1月初旬までの間であり、冬至前後の時期でした。

卯の日は陰陽五行思想においては「再生・更新」を意味する日でもあります。そのことからも本来の新嘗祭は冬至と連動していたことは明らかです。

明治初期に新暦に移行したことで、新嘗祭の日は現在の11月23日(勤労感謝の日)にずれ込むことになり、元来の冬至との連動性やその意義が分かりづらくなってしまいましたが、そもそもは古来から続く冬至の祭祀といえるのです。

天照大御神の天岩戸開き神話も冬至を象徴化した神話とも解釈できます。

以上のように日本は古来より冬至(太陽)との密接な繋がりをもって和の文化を醸成してきました。


さて、話は長くなりましたが、

以上を踏まえて、縄文時代から連綿と続く冬至文化を継承すべく、冬至大祭ケーキを提供致します✨


それはこよなく愛する縄文文化を強く意識したものでありながら、クリスマス文化も内包したものでもあり、生きとし生けるすべての生命の輝きを賛美するケーキです🌱🎂


大いなる歴史の流れの中で、文化の違いを越え、何か一つのことを祝福し合えるということはとても素敵なことです。争いが絶えない世の中だからこそ大切なことだと思います。

 だから私たちは東西の歴史を踏まえ、時を超えて古代の人たちの祈りと共に、時を合わせて今を生きる世界の人たちの意識と共に、クリスマスも冬至も新たな一年の始まりも一つのこととして祝います。是非皆様も大いに祝い合いましょう!