2024/02/05 19:02
立春を迎え、寒い中でも所々で春の兆しが感じられるようになりました。
この地球に脈打つリズムは季節の巡りとして現れ、私たち人間にも同様のリズムが流れています。あまつちベーカリーとしても、その大いなる流れと共に、前回の #冬至大祭ケーキ に続き、【たなつもの春分ケーキ】を販売いたします🎂✨
たなつもの春分ケーキとは?
「たなつもの」とは、「種」や「穀物」を意味する古語、やまとことばです。
冬の間、草木の種や花の蕾の内に、新たな命の生氣が静かに満たされていき、春の到来と共に、首を長く待ちに待ったそれらは次々と芽吹き始め、山川草木の彩は一遍に色とりどりに変化し、虫や動物たちの歓びの声が響き渡ります。
そのような、種(たなつもの)から始まる命の躍動感をスイーツとして表したのが、「たなつもの春分ケーキ」です🌱🎂
そしてもう一つ大事なのが、これは春分を祝うケーキでもあるということです🌸
春分・秋分については、過去の投稿でも書いたように、夏至・冬至と同じく、古来より太陽崇拝と先祖崇拝が一つに結びついた祀りの日でもありました。
春分・秋分に行われる仏教行事の彼岸会は、本来の仏教とは関係のないもので、日本古来の太陽崇拝と先祖崇拝に根ざした円環的な死生観と仏教の浄土思想が結び付いて出来上がったものです。
夏至と冬至が地球を巡るリズムの極点とするのであれば、春分・秋分はその中間点。その日、太陽は真東から昇り、真西へ沈みます。
現代に生きる私たちの感覚からすれば、なんてことない日と見過ごされがちですが、古代の人々にとってはそうではありませんでした。
日本各地の縄文遺跡から分かるように、その時代に生きた人々は明らかに二至二分を強く意識していました。地球を巡る宇宙のリズムと共にあり、その節目ごとに各地のムラの人々が祭祀場に集まり、先祖霊と共に大きな祭祀をしていたであろうと考えられています。
二至二分に現れる太陽の道、レイラインなるものも日本各地に沢山あります。
例えば、40年以上前にNHKのテレビでも取り上げられ有名になった、北緯34度32分上を走る東西の太陽ラインというものがあります。
そのライン上には古代の太陽祭祀の痕跡が見出される聖地が綺麗に並んでいることで知られています。
東から、伊勢湾口に浮かぶ神島、斎宮跡、大洞山、倶留尊山、室生寺、長谷寺、三輪山、大神神社、箸墓古墳、二上山、大鳥神社、淡路島の伊勢の森などなど、よくよく調べてみると、今はお寺であったり、古墳であっても、古代の太陽祭祀と関係の深いところばかりなのです。(このことについては水谷慶一著『知られざる古代―謎の北緯三四度三二分をゆく』に詳しいです)
(なんとびっくり、あまつちベーカリーの所在地の緯度も調べてみたところ、ドンピシャで34度32分のライン上でした・・・😳)
そのように春分・秋分に聖地を走る東西ラインや冬至・夏至の日出日没ラインは調べてみると他にも沢山あり、偶然の一言で片付けることはできないでしょう。
それが古代の人々にとって何を意味したのかは推測するしかありませんが、天地のリズムと一体となって生きていたことは明らかですし、お天道様(天照大御神であったり、大日如来であったり)に有難くも生かされているという感覚は強く、深かったことでしょう。
お天道様が真東から昇る春分は、いのちの奔流が解き放たれる夜明けの時であり、その頃ちょうど桜の蕾がほころび始めます。そして桜の開花に続くように、人々は大地に種・苗を植え、天高く実るよう祈り、命を紡いできてくれた先祖への感謝と共に、未来の世界の弥栄を願っていたことでしょう。
春分とはそのような尊い時であり、自らの命が、ご先祖様や天と大地、それらすらも包み込む大宇宙、大いなるものによって生かされており、そして、全ての命が一つに繋がっているということを思い起こさせる大事な日でもあるように思います。
その春分の到来を祝うべく、たなつもの春分ケーキを販売致します🎂✨
春分の前後一ヶ月、立春から、葉桜の季節4月末頃までの期間限定販売です。
前回同様、「スペルト小麦&米粉バージョン」(3900円、サンキューです!)と「たかきび粉&米粉バージョン(小麦不使用)」(4300円)の二種類ございます。サイズは今回は4号のみです。
その他の詳細については、商品ページをご覧ください。
春の到来の喜びと共に味わっていただけたら幸いです。
ちなみに、「いただきます」を言う前に歌う食前の祈りの和歌があり、そこでも「たなつもの」という言葉が出てきます。
「たなつもの 百の木草も 天照す 日の大神の 恵み得てこそ」
(作者・本居宣長)
このような、祈りと感謝を共にすれば、心もからだも喜ぶ豊かな食事となるでしょう。
いつもありがとうございます🙏